このような中、97年末の通貨危機を契機に、大手造船所のうち、大宇重工業、漠拏重工業2の2社が経営破綻した。大宇重工業は、大宇グループ全体での財務構造悪化が経営破綻の引き金であったのに対し、漢拏重工業の場合は、同社の設備拡張による負債増加がグループ全体の破綻の引き金となった。大宇重工業は、2000年10月に企業分割され、三湖重工業は、現代重工業の委託経営下に入った。
他方、新造船建造量の拡大と共に、韓国政府は舶用機器の国産化に力を入れてきた。1986年以降は、機械類、部品・素材国産化品目制度を実施している。国産化比率は既に金額べースで90%を超えていると思われる。
また、舶用エンジンについては、従来、大型エンジンは、現代重工業、韓国重工業の2社、中型エンジンは、双竜重工業に生産が一元化されていたが、参入規制の撤廃により、大型エンジンには三星重工業が、中型エンジンには現代重工業が参入した。その後、舶用エンジンがビッグディールの対象業種になり、大型エンジンについては、韓国重工業、三星重工業、大宇重工業の3社により2000年にHSDエンジンが設立され、現代重工業との2社体制となっている。
2 現在は三湖重工業と名称を変更している。以下では、原則的に三湖重工業と言う名称を使用する。