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II. 韓国造船業の現状と競争力

 

1. 韓国造船業の概況

韓国の造船業は、1970年代半ば以降、本格的な飛躍を見せた。この時期のVLCC需要拡大を狙い、韓国政府は第3次5ヵ年計画の中で、造船建造能力の大幅拡大を決定した。その流れの中で現代重工業が大型ドック建設を行ったほか、大韓造船公社(当時)も設備の大幅増強を行った。その結果、世界の建造実績に占める韓国のシェアは、73年には0.5%と限界的な生産国に過ぎなかったものが、79年には、3.5%までシェアが拡大した。その後、80年代前半にかけ、大宇重工業1、三星重工業等が設備増強を実施し、世界的な造船国に浮上してきた。最近の動きとしては、94年以降、現代重工業、三星重工業といった主要各社が設備増強を行い、建造能力は、およそ900万G/Tと、日本の3/4の水準に達した。

 

表:韓国の造船業、舶用工業の発展プロセス

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資料:各種資料より作成

 

1 大宇重工業は2000年10月に、造船海洋部門(大宇造船工業)、機械部門(大宇総合機械)、債務管理会社(大宇重工業)に3分割された。以下では、混乱を回避するために、従来の「大宇重工業」という名称をそのまま使用するが、これはあくまで旧「大宇重工業」及び同社造船事業(即ち、財務分析の項では造船部門・機械部門を含めた旧「大宇重工業」全体を示し、造船事業の評価では主として新「大宇造船工業」を示す)を示すものであり、債務管理会社である新「大宇重工業」を示すものではない。

 

 

 

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