日本財団 図書館


(2) アフターサービス関連情報・機能の一元管理

上記(1)においては、主にSIからの要件という観点で、高度情報化アフターサービスが備えるべき情報および機能について整理した。

 

一方で、「2.4.1現状業務の特徴」節に示したように、船-舶間のアフターサービス関連業務には、SIの指示または舶用メーカ側の指示により、多様なプレーヤが多様なルート(形態)で関わるために、これらの情報と機能も、また多様なプレーヤに適宜必要とされるものである。

サービス実験の結果からも、船社・船舶管理会社側および舶用メーカ側の双方において、部品/修理業者、代理店等との一企業の枠を越えた情報共有に対する一定のニーズがあることが分かっている。

 

このような要求に対するソリューションの一つとして、アフターサービス関連情報を一元的に管理し、また必要な機能をASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)的に提供することが可能な、ポータルサイトの構築が適当と考えられる。

ポータルサイトは、当然に舶用メーカ1社で構築するものではない。多くの舶用メーカがポータルサイトに参加し、業界標準の内容とフォーマット等に沿った情報を提供、さらには船社・船舶管理会社側の情報をも取り込んでいく。

これらが実現されれば、船社・船舶管理会社側および舶用メーカ側の双方にとって、多様な舶用機器に関する情報管理の容易性や内容の充実、検索性の向上をもたらし、また、先行してポータルサイトに取り組む舶用メーカにとっては顧客の囲い込みにつながる効果も期待できる。

 

これからの高度情報化時代においては、もはや“情報を提供する”行為は当然のこととして、そのことだけに対しては価値は見いだされない。サービス実験のアンケート結果にも指摘があったように、情報(コンテンツ)の内容を問われる時代になってくる。そこでは、情報の提供や交換のための手段(ツール)は共通のポータルサイト等を使って可能なかぎりコストを削減し、差別化の要因として、

1) 情報コンテンツの内容をいかに充実させるか

2) 情報と機能を、いかにメーカとしてあるいは代理店網を含んだグループとして活用していくか

を競うことになる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION