日本財団 図書館


3.5.5 電子マニュアルの内容

 

船社回答から、電子マニュアルの内容についての整理・考察結果を以下に示す。

 

(設問内容)

1) 電子マニュアルの閲覧者/

実業務における電子マニュアルの他の閲覧者(見せたい者、見るべき者)

2) 電子マニュアルの内容・様式等評価

3) 電子マニュアルの実業務への有効性評価

4) その他

 

(整理・考察)

・電子マニュアルの内容・様式等への評価では、良い評価もある一方で、いくつかの不満足さへの指摘も少なくなかった。

・アプリケーションツールに対する評価の基準は、個人個人が日頃から使い慣れた他のツールとの比較や嗜好によって左右されるため、今回の実験をもって良否を判断するのは難しいが、全般的に好評価を与えてくれた船社が1社でもあったことは、今後の理想モデル構築を図る上での一歩となったのではないかと考える。

 

・不満足さの指摘では、電子マニュアル全体に対するものとして「全体的に文章が多い。もっとビジュアルな内容が良い」、「動きが遅く、次に何処へ行くか分かり難い」が多かった(いずれも選択肢回答)。これはまさにインターネット・Web方式における弱点を指摘するものであり、あらかじめ予想された回答であった。

・前者の指摘に対しては、写真や図表を充実させることで技術的に応えていくことは問題ないが、情報コンテンツの容量増大を招き動きが遅くなるために、適当なビジュアルさの判断が求められる。

・また、後者の指摘は、ネットサーフィンとも揶揄されるWebインタフェースの悪い面の指摘であるが、これも常にサイトマップ(PDFファイルの“しおり”に相当)上の現在位置を表示させることで不便さはかなり解消できる。

・全般的な評価では、また「コンテンツが日本語しかない」があった。外航船社に対しては、当然備えなければならない事項である。

 

・電子マニュアルの内容・様式評価を機能別で見ると、「異常時の原因と対策」への評価が高く、「保守点検要領」は中程度、「パーツリスト」、「オーダ機能」へが低い結果となった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION