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・その他のIT機能の必要性評価では、最も高かったのは「電子マニュアル」で、逆にほとんど否定されたに近いのは「Webによる発注機能」であった。「リモートモニタリング」と「Webによる在庫等検索機能」は、中間的な(回答にばらつきがあった)評価であるが、どちらかというと前者については舶用メーカ側が積極的で、後者については船社・船舶管理会社側が積極的である。

・「電子マニュアル」について必要性評価が高いのは、改めて本アイテムの重要さを裏付けた。ただし、その内容に関しては様々な意見があるものと思われ、双方が納得できるものを作り上げるにはまだ曲折が予想される。

・しかし、「電子マニュアル」は、船社・船舶管理会社側と舶用メーカ側が共通して認める高度情報化のキーワードであることには違いはなく、他の付加価値のあるメニューはそこをポータル(入口)として発展させるアプローチも考えられる。

 

・「Webによる発注機能」は、船社・船舶管理会社側からほとんど否定された。また提供する舶用メーカ側においても既存の販売・サービス組織との関わり方を現状では整理しきれていない。

・アフターサービスの実態調査から明らかなように、現在のSIと舶用メーカ(代理店含む)間のビジネス形態においては、ネットから部品をワンクリックで発注するようなケースはほとんど発生しない。舶用メーカとの接点が発生するのは、突発的な事故発生や定期検査時等が主たるもので、単純に画面をクリックしてビジネスが完結するケースではない。

・SI側からみれば、現時点でネット調達の可能性があるのは、予備品在庫の補充時などにおけるJIS規格等の標準部品が対象と思われる。したがって、その相手先に舶用メーカをあまり想定していない現在の状況では「発注機能」に対してこのような回答にせざるを得ない。

・最近のe-マーケットプレイス・ブームにのって舶用品調達サイトも出てきており、上記の用途に限れば認知度や利用度も上がっていくものと予想されるが、舶用メーカのネットビジネスにおいて重要なポイントは、これらe-マーケットプレイスと同じレベルで単に“部品が買えます”のみ提供しても駄目であることである。他の高い付加価値のメニューをもってユーザをネット上に誘引し、さらに囲い込み、その一連の締めくくりとして「発注機能」が必要なのである。

 

 

 

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