3.5.1 情報コンテンツの作成
船社回答とメーカ回答を対比させながら、情報コンテンツの作成についての整理・考察結果を以下に示す。
(設問内容)
1) 実験に用いた情報コンテンツの元情報(電子化以前) の作成者/
実験用に情報コンテンツの電子化を行った担当者
2) 元情報の作成者と、電子化担当者が異なった理由/
情報コンテンツについて、「電子化の方法」、「電子化に要した工数」
3) 今後の社内における情報コンテンツの作成形態
4) その他
(整理・考察)
・情報コンテンツの電子化においては、パーツリスト、取扱説明書という100〜200ページ以上のドキュメントについて、2日間の作業工数がかけられている。これは基のドキュメントが紙であったため、すべてをスキャナで読みとった上での電子化作業によるものだが、PDFファイルに変換してもなお2MB〜22MBの容量になり、Web上のコンテンツとしてはやや不適切なものになってしまった。
・今回の実験で用意された情報コンテンツの半数以上が、基の情報が紙であったことを踏まえて、実験終了後に改めて今後の作成形態を問う設問では、今後は電子化の比重を上げようという意識が読みとれるものの(特に大分量のドキュメントでは)、大勢としては様々な形態が混在するという点で現状と変わらないというものである。
・また、自由記入形式の回答では、電子化に際して留意すべき事項の指摘があった。一つは利用者間での共通フォーマット、ソフトウェアの限定、バージョンの統一など標準化に関する指摘と、もう一つは紙故の利便性を損なわない方法での電子化についてである。
・特に後者は「舶用工業で扱う資料は図面が豊富で、別紙でなくそのまますぐ隣に見えるのが望ましい。電子化の為に全ての図が別紙と言う風になってはいけないと考える。」というものであり、ドキュメントのマルチウィンドウ化が技術的な答えにはなる。この点、単純なPDF形式では対応することができない。