3 高度情報化アフターサービス実験
3.1 サービス実験の目的
本調査研究における高度情報化アフターサービスの検討は、船社・船舶管理会社と舶用メーカ間のアフターサービス関連業務の実態調査を踏まえた検討が主体となるが、しかし一方で両者間にはこれまで電子的な情報交換についての共通土壌が乏しかったことを考慮すると、机上の検討のみでは必ずしも十分でないとの認識に基づき、高度情報化アフターサービス実験(以降、サービス実験)を実施した。
実態調査とサービス実験の双方からの知見は、互いに相乗効果を生み、より一層に調査研究内容を充実させることにつながった。
3.2 サービス実験の概要・イメージ
サービス実験は、高度情報化アフターサービスにおける主に情報コンテンツの交換について、実際の船舶管理ないし舶用機器管理業務を想定して、船社・船舶管理会社と舶用機器メーカ間で実施し、その実務面での有効性の検証を行った。(図3-1参照)
本来の高度情報化アフターサービスは、それに相応しい情報(コンテンツ)と機能(サービスファンクション)から構成されるものであるが、今回の実験は既存の情報インフラ(ハードウェア、ソフトウェア)を用いて行わざるを得ないため、情報(コンテンツ)の交換を主体に行った。
主な実験検証項目は、事前の実験計画で定められた情報が実験参加者から用意されたか、想定とおりに情報にアクセスできたか、情報の内容は十分か、また、実験参加者間の電子的な情報交換が実務的に有効であったか等である。
情報交換は、技術的にはもちろん可能であることは明らかであるが、実際に担当者レベルで必要な情報が必要な時に交換されたかが、本サービス実験において最も重視された検証事項である。