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3] スキル不足に対する補助能力

ガイダンス機能があると、マニュアルを探す時間が短縮されて仕事の効率が上がったという。情報化が進むとどうしても知識不足になるので、メーカー毎にサポート機能は必要だと評価された。

 

4. まとめ

4.1 成果

乗組員(機関部員)の方々は年齢層に幅があり、装置の取り扱いにも個人差があった。(マウス派とキーボード派に分かれる)

モデル機に組み込んだ機能・性能に関しては、不評好評と色々評価されたが、本装置に限らず、コンピュータを組み込んだ装置は、電気的不具合が生じた場合に、その処置(修理)方法がよく分からないと言う。そういう面が今後改善されれば、機器としての性能は向上し、より使いやすくなると評価された。

今回の試験に関しての総合評価は、ふつう評価(5段階評価では3)よりやや高めの3.8でした。項目別に見ると、“わかりやすい”、“優れている”、“役に立つ”、“採用したい”と言う点に関しては他の項目より評価が高く、現在使用している装置よりは、モデル機の方が良いと好評でした。

今回はサンプル数が少なく、あまり高い評価は得られなかったが、増加傾向にある年配者を対象に実証試験をし、数多くのサンプルを集めれば、今回以上に高い評価が得られるものと確信しています。

ユーザーに要求される性能要件をモデル機に組み込み、従来とは違った操作性性能面でこのような評価を得たことは、本調査研究の目的(従来の考え方を一掃する情報支援装置の実用化に向けての調査)は十分達せられたと考えます。

 

4.2 今後の課題

モデル機の試験を実施し、乗組員の評価内容を見ると、性能面は満足しているが操作性が悪いと言う意見があり、今後は操作性の良い手法を考案し、試験・評価する必要があります。また、運航・管理業務に携わっている方の大半が、管理船の位置管理や機関状態の把握を、一括して陸上オフィスで行いたいと考えておられ、これからの情報端末としては、船の位置、機関状態等の情報提供は必須の要件になると思います。できるだけ多くの要望事項を組み込み、次世代型の情報統合化システムを提供するのが目標です。

本調査研究で得た成果をべースに、今後更なる改良を行い、ユーザニーズに合う情報支援装置の実用化(製品化)を目指します。

 

 

 

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