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3. 実施内容

3.1 動力循環式歯車耐久試験機の設計・製作

モデル機により静的負荷トルクを作用させた時の歯元曲げ応力、および歯面耐久試験により歯面が疲労破壊する面圧応力を測定し、これを計算値および解析値と比較・検討するため、動力循環式歯車耐久試験機を製作した。この歯車試験機の軸角は、船舶のプロペラレーキ角は10度付近が一番多いことから、10度としている。また、連続無人運転ができるように安全装置として、軸受振動値、軸受温度、潤滑油温、潤滑油圧、回転数を検出するセンサーを装着し、異常時に装置の運転を停止する監視盤を備えている。

 

3.1.1 試験歯車

試験歯車の要目を表1に示す。今回用いた歯車の材質はJIS-SCM415Hであり、浸炭焼き入れ後、歯面研削を行っている。なお、供試側歯車は歯面耐久試験に用い、循環側歯車は歯元曲げ応力測定に用いる。

 

表1 試験歯車要目

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3.1.2 動力循環式歯車試験機

設計・製作した動力循環式歯車試験機を図1に示す。

歯面耐久試験は、ねじり継手によって負荷トルクを作用させ、原動機モーターによって運転し、供試側歯車の歯面の状態を観察する。なお、循環側歯車の歯面強度は供試側より充分大きくなるように設計している。また、原動機モーターは連続運転に耐えうるよう、出力容量の十分大きいものを用いている。

曲げ応力測定は、ねじり継手によって静的負荷トルクを作用させ、循環側歯車(ギヤ)の歯元に取り付けた歪みゲージよって歯元応力を測定する。

 

 

 

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