舶用推進用減速機用コニカルギヤの強度評価法の調査研究
新潟コンバーター株式会社
1. 調査研究の目的
舶用推進用減速機は、漁船・旅客船・プレジャーボートなどの船舶に使用されるトランスミッションで、一般的にマリンギアと呼ばれている。一般に船舶のプロペラ軸系は、水平面に対し10度程度下に傾けられて設置される。そのため、一般の円筒歯車式減速機では、原動機とプロペラ軸を平行に設置するため、船の重心が高くなることや、船体内の空間が狭くなるなどデメリットがある。これらを改善するためには、原動機を水平にして、プロペラ軸を傾斜させればよい。このため、コニカルギヤを用い、入力軸と出力軸に軸角を持たせたコニカルギヤ式減速機が製作されている。
コニカルギヤは、これまでの研究により、歯形理論、設計・製作法、歯面測定法が確立し実用化してきている。しかしながら、コニカルギヤは、歯先面および歯底面が円すい面上にあるインボリュート歯車であるため、強度評価法については未だ確立されていない。
本調査・研究では、より厳しい設計条件をクリアできるコニカルギヤの強度解析手法を調査・研究する。
2. 実施経過
2.1 実施項日
(1) 動力循環式歯車試験機の設計・製作
(2) コニカルギヤ面圧強度の検討
(2-a) 強度計算式の検討
(2-b) 歯車試験機による歯面耐久試験
(3) コニカルギヤ曲げ強度の検討
(3-a) 曲げ応力測定実験
(3-b) 有限要素法(FEM)による曲げ応力解析
(3-c) アメリカ歯車工業会(AGMA)のべベルギヤ曲げ応力計算式の検討
(3-d) 実験結果および解析結果の比較
2.2 実施期間
開始:平成11年4月1日
終了:平成12年1月31日
2.3 実施場所
実施場所:新潟コンバーター株式会社加茂工場