4. 実験内容
(1) 従来型(R-22仕様)で、蒸発器を設置した空調機を運転し、蒸発器のデータをとると、IIでもわかるように蒸発器入口冷媒温度が最大2.2℃の差があった。
この状態で、蒸発器を調査してみると、上部の流れやすい所のみ冷媒が流れ全体としてアンバランスな状態であった。
次に、蒸発器を図Vの1]のような流れに変更し、設置し運転状態等を調査してみると、図IIIのような温度分布になった。
従来型及び新型(R-407C仕様)については、どちらも蒸発器メーカが計算を行い、製作されたものである。
前述のように、従来型又、R407Cの新型にしてもノズル径の能力比は、40%台〜50%台、△Pにしても、0.047〜0.58MPAとかなり計算値としては、許容値に対して低い値であった。
又、今回分流管のチューブにしても、同様な事が言えるのではないかと思う。
(2) 蒸発器として最大の能力を出す為には、どうしても蒸発器入り口の冷媒分配をうまくするのが、重要なポイントとなる。蒸発器の構造は、図Vの1]で良いと考えられる。
下記に冷媒入口の分配を良くする為の計算値を示す。
圧縮機能力6970W(蒸発器5℃ 凝縮温度40℃)
※上記のノズル径…4m/m
チューブ径…1/4×0.6m×3本
(3) 当社計算値に基づく値で、蒸発器を製作し空調機に設置したデータが図IVである。
これを見ると分流管の温度差が1℃以内に入っており、従来から言われている温度差1℃程度に十分満足出来る状態になっている。
5. 調査研究の成果
(1) 蒸発器の構造については、小型空調機用としては図Vにある様な構造でも、又従来型とても数%の能力ダウンであるので、空調機としては問題点は少ないと思われる。