日本財団 図書館


さらに、オゾン層の減少への懸念により年々規制が強くなり、HCFCも1996年より規制がはじまり、第4回モントリオール議定書削減計画により、HCFCも2020年全廃となった。

これを受けて我が国では代替技術開発が活発に行われ、現在まで幅広く使用されているHCFC-22の代替冷媒としてオゾン破壊係数がゼロ、又、地球温暖化係数も小さい混合冷媒が開発された。

今回は、その中でもHCFC-22の代替冷媒として考えられているR-407Cに関する調査とそれに伴う空調システムの構成部として重要な蒸発器について調査した。

 

3.2 現在使用されている蒸発器の現状

今日、大抵の場合、蒸発器製作メーカによって、要求する能力に対して、蒸発器を設計する。蒸発器の構成されるシステムは、銅管とフィン及、分配器と分流器に分れる。

従来、このすべてを蒸発器メーカが製作していた。この構成部品の中で分配管及び分流管については、各々のメーカによってさまざまな寸法で製作されているのではないかと思われる。当社でも、3社のメーカの蒸発器が納入されているが、3社とも分配管の形状、分流管の長さが違う。この様な状況においては、当然ながら冷媒の分配、分流においての違いが多少なりともあるのではないかと思われる。

今回の調査研究では、特に新冷媒という事で、現在使用されている蒸発器と、新冷媒用の蒸発器を製作した。従来使用されている蒸発器は、すべてメーカの設計の基で製作され又、新冷媒用の蒸発器についても、1台はメーカの設計、1台は当社の設計で運転調査を実施した。

 

3.3 調査試験機概要(図1)

冷凍能力 6970W(蒸発温度5℃・凝縮温度40℃)

・圧縮機・CROQ-020E-TFD

・蒸発器・3パス

・膨張弁・TUAE(R-407C)

・凝縮器・伝熱面積1.2m2

・送風機・風量1.8m3/min

・送風機モータ・0.2kw

・冷媒・R-407C

 

3.3.1 蒸発器分配管のノズルサイズ及び分流管の長さ(蒸発器メーカより資料)

HCFC22用蒸発器及び407C用蒸発器

ノズルサイズ…5m/m

分流管の長さと本数…1/4B×0.5m×3本

 

3.3.2 上記の条件での能力比及び△Pの値

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION