(ホ) コンテナクレーンの安全装置の変遷
コンテナクレーンの標準仕様全般について、社団法人 港湾荷役機械化協会において学識経験者、関係官庁及びクレーン製造メーカーより構成されるコンテナ荷役機械研究委員会(平成3年、11年においてはコンテナ荷役施設調査研究委員会に改称)が昭和41年に設置されクレーンの標準仕様等の調査・研究が行われており、昭和41年に第1次報告書が報告された。その後、昭和45年、平成3年及び平成11年に標準仕様の見直しが行われ現在に至っている。
危険物荷役の事故に関連する安全装置の昭和45年、平成3年及び平成11年における仕様の変遷を表3.9に示す。
表3.9によると、コンテナクレーンの大型・高速化に対応する安全装置が昭和45年より現在多数項目追加されている。
また、コンテナクレーン操作時のコンテナの落下事故の原因として最も考えられるコンテナの吊具であるスプレッダーのツイストロック(スプレッダーの4隅に設けられたコンテナとの嵌合させる金具)着脱の確認については昭和45年の標準仕様では単なる表示灯による確認であったが、平成3年以降の標準仕様では表示灯による確認に加え正常着床とツイストロックとのインターロック装置、巻上時アンロック不可のインターロック装置などが新たに加えられスプレッダーの着脱の確認については単なる表示による確認よりスプレッダーのツイストロックがコンテナの所定の位置に確実に装着されていなければ操作出来ない構造となった。また、過負荷防止装置の設置により、過負荷時には警報・停止司令が発せられるようになり、ワイヤーの切断等によるコンテナの落下事故の防止が図られている。
伸縮式スプレッダーの概略図を図3.7に示す。