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海難原因

本件衝突は、夜間、船舶の輻輳する神戸港外において、AB両船が互いに進路を横切り衝突のおそれがある態勢で接近中、両船が第三船と互いに進路を横切り衝突のおそれがある態勢で接近する状況となり、かつ、A船が機関用意を令して減速した際、A船が、見張り不十分で、衝突を避けるための措置をとらなかったことと、B船が、衝突を避けるための措置をとらなかったこととに因って発生したものである。

 

留意事項

一 船舶の輻輳する海域においては、必要な見張り要員を増強するとともに、特定方向の船舶の動静のみに気を奪われることなく、周囲に対する見張りを特に厳重にしなければならない。

二 船舶の輻輳する海域においては、二船間の見合関係のみに留まらず、同時に第三船との見合関係が発生することから、各船それぞれ避航義務および保持義務が生じる事態のあることに注意しなければならない。

三 港口や錨地に向かって進行中の船舶は、そこに接近した場合、減速して進行することのあることに注意しなければならない。

(外国船の海難の実態=海難審判庁発行=から抜粋)

 

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輻輳海域での見張り不十分は事故につながることが多い

 

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