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重点事項「乗揚げ海難の防止」

 

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船位確認の励行

 

○船位の確認は安全航海の基本です。

手抜きをせずに基本的事項を遵守すること。

○慣れた海域での感覚的(山かん)運航を戒め、何時も何処でも油断せず、コンパス方位、レーダー、GPSを活用して位置を確認すること。

○GPS機器、レーダーなどの航海計器だけに頼る傾向がみられます。必ず海図などと照合し安全を確認すること。

○高速船などでは、船首目標線設定、避険線を活用した安全エリア設定による安全位置確認航法を採用し、マスターすること。

(GPSプロッタなどへの表示。海図などを活用しての手持ち安全運航図の作成などによる。)

○霧などでの視界不良時には、レーダー、GPS機器を活用して船位確認を確実に励行すること。

○変針目標灯台などの航路標識の見誤りによる乗揚げがみられます。灯質の確認、海図などとの照合を行うこと。

 

[注意]

GPSプロッタの普及により、海図をテーブル上に出していない船、海図を見ない船がみられます。GPSプロッタの地形図などには浅所などの障害物情報が海図ほど入っていないことを十分に頭に入れておくこと。

下図参照

 

GPSプロッタ画面

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海図の表記

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実際の海底の模様

例えば、5mまたは10m等深線の内側が徐々に浅くなっているとは限らず、このような場合があることに注意。

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水路資料などの調査

 

○出航前に必ず海図などで自船設定航路の安全を確認すること。

○航行する海域の工事作業区域、漁網などの障害物の状況を事前に調査すること。

○海潮流、潮汐などを事前に調べ、船橋内に掲示すること。

 

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居眠りの防止

 

○狭水道や港を出て気持ちがホッとしての居眠りが多いので、気を引き締めること。

○眠くなったら絶対に座らないこと。

○船橋内やウィングを歩いたり、風に当たったり、すっきりガムを噛んだりして、眠気を覚ますこと。

○酒気の残っている場合は、立直しないこと。

○ワッチオフ(非番中)にはできるだけ睡眠時間を確保すること。

 

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見張りの厳守

 

○目による状況の把握、判断は、乗揚げを防ぐための基本事項です。

双眼鏡を活用すること。油断せず隙の無い見張りに心掛けること。

○漁獲物、網などの整理、船橋内での作業などで前方見張りをおろそかにしないこと。

○レーダーなどの活用により、陸岸、島嶼、養殖施設の早期把握に努めること。

 

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