ピアノ 神谷郁代
8歳よりピアノを始める。井口愛子に師事し、桐朋学園高校卒業後、ドイツのエッセン音楽院に留学、卒業。クラウス・ヘルヴィッヒ、ステファン・アスケナーゼ氏らに師事。
1972年ベルギー、ブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクールに入賞後、ヨーロッパでフェスティバルやリサイタル、オーケストラとの共演と活動を行う。ロンドンでのデビューでは「豊かな音楽性、冴えたテクニック、強い精神力、そして明晰な頭脳による力強い演奏」と高く評価された。
これまでにズービン・メータ、小澤征爾などの著名指揮者及び国内外のオーケストラとの共演、リサイタル、クリーヴランド弦楽四重奏団、ウィーン・フィルなどの室内楽などに活発に演奏活動を行っている。1988年度芸術祭賞受賞。
レコーディング活動においては、RCAより20枚以上の録音を残している。中でもベートーヴェン「熱情ソナタ」は、アメリカ国内で2万枚以上のセールスを記録したほか、好評のショパンシリーズをはじめ、ベートーヴェン、モーツァルト、シューマン、ムソルグスキー、サティと幅広いレパートリーは古典から現代にまで及んでいる。最近では、フォンテックより「べートーヴェン:後期ソナタ集」をリリース。引き続き「ベートーヴェン:中期ソナタ集」を録音した。
新星日本交響楽団
1969年、我が国初の自主運営のオーケストラとして創立した。現在年18回の定期演奏会をはじめとする自主公演のほか、コンサート、オペラ、バレエ、TV、FM放送の出演など、年間180回におよぶ多彩な演奏会を行っている。情熱的で高水準の演奏と親しみやすいユニークな企画は、クラシックのみならず幅広い音楽ファンの期待に応えている。
1990年の第1次ヨーロッパ公演では、ドイツ、スペイン等各地の音楽祭に参加。1995年第2次ヨーロッパ公演では、プラハの春国際音楽祭をはじめスロヴァキア、イギリス等6ケ国で公演し、各地で高い評価を得た。また、1997年から新国立劇場のレギュラーオーケストラも努めている。
1999年、楽団創立30周年を迎え、首席指揮者にパスカル・ヴェロが就任。就任披露演奏会となった4月の定期演奏会では、ルーセル「バッカスとアリアーヌ」(全曲)、デュカス「≪ペリ≫ファンファーレと舞踊詩」他を指揮し、大絶賛された。30周年記念コンサートとして、アジアの子どもたちの援助を目的に開催した「チャリティ・ガラコンサート<アジアの子どもたちへ未来を!>」でも、チョン・ミョンフン指揮、中丸三千繪、五嶋龍の出演のもと大成功を収めた。また、森林保護のためにコンサート入場料の一部を寄付する「グリーン・コンサート」を行うなど、社会的なメッセージを発信するオーケストラとしても注目されている。1995年度第19回音楽之友社賞受賞。