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五月山グリーンエコー活動地の植生とその変化

五月山グリーンエコー 土田泰子

 

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ガマズミ

 

五月山グリーンエコーは1996年から活動を始め、その主な活動地は、五月山公園内のひょうたん島コースと、杉ヶ谷の西斜面、東斜面、緑のセンター西側の竹藪、山の家下手の竹藪である。

ひょうたん島コースは昭和63年の山火事で焼けて、やや木の密度が低く、背丈もそう大きくない木が茂っているところを手始めに間伐していった。常緑樹を中心に間伐し、地に光が十分はいるくらいに間伐している。見通しが良くなり、回り込んだ向こう側のハイキング道が見える程度になっているところもある。ひょうたん島コース全体には、クヌギ、アベマキ、コナラ、アラカシ等ブナ科の樹木を中心として、常緑木は、アカマツ、クス、ヤブニッケイ、ソヨゴ、ヤマモモ、カナメモチ、ネズミモチ、シャシャンボ、ヒサカキ、落葉木としては、モチツツジ、ネジキ、ナツハゼ、ヤマナラシ、ヤマハゼ、ウルシ、イヌビワ、ムラサキシキブ、ガマズミ、コバノガマズミ、ウワミズザクラ、小低木としては、スノキやアクシバ、コウヤボウキ等がある。イタドリ、コシダ、ササ等の下草がある。

 

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ムラサキシキブ

 

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クマノミズキ

 

杉ヶ谷西斜面は、かなり急な斜面になっており、2m高の笹が茂っていたが、笹刈りをし、その後コナラを植樹している。笹を刈った後の斜面にはウラシマソウや、ナルコユリが生えてきたことが確認されている。杉ヶ谷川河川敷には、大きなセンダンの木と、クマノミズキが2本有る。下草は、春はヤブニンジン、タネツケバナ、夏から秋は、ママコノシリヌグイ、ヤブミョウガ、カナムグラ等が茂っている。

杉ヶ谷東側、比較的平らな斜面下部は、当初草丈2m以上にもなる笹(メダケ)で一面覆われていた。斜面には笹の間にアオキ、ノイバラ、エノキ、クヌギ、コナラ等があり、またクズ、ミツバアケビ、ヤマノイモ、カラスウリ等のつるが絡まっている状態だった。1998年笹とつるを刈って、1999年、春3月一面の笹の覆われていた藪は美しい草原に変わった。オオイヌノフグリ、ウシハコベ、オオバタネツケバナ、ハナイバナなど。またたくさんの芽生えが出ていた。細長い双葉に、細かい鋸歯と切れ込みのある葉。今まで真っ暗な光の届かない大地でじっとその時を待っていたに違いない。光を浴びて一斉に芽生えた種子。さてさてどんな植物に育つのやら。

(今年分かったのですがそれはカナムグラでした。)

 

 

 

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