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里山ホリディのすすめ

世紀を越えて語り継がれる豊かな自然と暮らしを創造しよう!

(社)大阪自然環境保全協会・副会長 木下陸男

 

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私たちの身近な自然である里山は、単に“みどり”としての景観機能だけでなく、災害から人々を守り、豊かな水を提供しています。また、植物を育てる土を作り、四季折々の美しい花を咲かせます。そして、シカ、キツネ、タヌキ、ウサギ、リスなどの動物たちや、オオムラサキ、カブトムシ、ホタルなど様々な生き物の生息場所ともなっています。私たちは、この祖先が大切に守り育ててきた薪炭林や、農用林などの里山を市民の手でリフレッシュし、各地の風土や伝統を活かした美しい「里山・田園環境の保全」に取り組んでいます。

 

保全協会では1983年、それまでさして重視されなかったこれらの二次的自然を“ふるさとの野山”につながる言葉として「里山」と呼び、身近な生物・生態系の保全を前提とした「里山の保全」とその「新しい活用」を提唱し、普及と啓発に取り組んで来ました。この提案は今日全国に広がり、「里山」をキーワードとした諸活動は、環境NGOや市民団体だけでなく、多くの自治体や国の各省庁でも、国民・市民参加による新しいタイプの環境保全活動として取り組まれるようになりました。中でも市民参加による「里山公園」づくりは、池田市における経験をベースとして吹田市、岸和田市、交野市などの他、兵庫や滋賀、愛知、石川など府県レベルでの取り組みも盛んとなり、私たちの先駆的実践は、そのモデルとして大きな役割を果たしています。

 

 

 

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