(2) 植生調査の方法
植生調査は次のような手順で行います。
・調査区の選定…地形や地質などを考慮し、対象地域の植物群落を網羅するようにまんべんなく設定します。
・調査面積…主要な構成種がすべて含まれる最小の面積とする。方形区(コドラート)では 森林=10m×10m〜20m×20m 低木林=5m×5m〜10m×10m 草原=2m×2m〜5m×5m コケ・地衣=0.3m×0.3m〜1m×1m
・調査項目…群落の階層構造(樹木葉群の垂直的な配列状況)
階層区分は相対的なものであるが、一応の目安としては
1) 高木層(B、T)…ほぼ5m以上の所で葉を繁らす植物群
2) 低木層(S)…ほぼ0.7m〜5mの高さで葉を繁らす植物群
3) 草本層(K、H)…地表上から0.5m・0.5mまでの植物群
4) コケ層(M)…地表上に生育するコケ・地衣類
※階層構造が複雑なものは各層を2分して高木層(B1)亜高木層(B2)第1低木層(S1)第2低木層(S2)第1草本層(K1)第2草本層(K2)とする。
・出現種のリスト…各階層で出現する種のすべてを記録する。ツル植物は先端の到達高に記載し、頭に1を付ける。
判定困難なものは番号札をつけ採取し同定する。
・生育状況…階層ごとに出現種の被度・群度・活力などを推定。
1) 被度…各植物の調査区に占める枝葉の面積を表す。
被度5=同一種が調査面積の3/4以上を覆っている。
被度4=同一種が調査面積の1/2〜3/4を覆っている。
被度3=同一種が調査面積の1/4〜1/2を覆っている。
被度2=調査面積の1/10〜1/4を占めるか、個体数が極めて多い。
被度1=個体は多いが被度1/20以下又は少ないが被度1/10以下。
被度+=個体数も少なく被度も小さい。
被度r=極めて稀に出現し、被度も極めて小さい。
2)群度…調査区とその周辺での植物固体の分散生育状況を示す。
群度5=調査区内(周辺にも)一面に、連続して生育している。
群度4=1〜2ケ所欠けて斑紋状に穴が空いている。