(3) 保険の種類と手続き
市民の参加を募って、活動を進めようとする場合、心配になるのは思わぬ事故の発生です。市民による里山管理は、市民それぞれの自由意思で、自主的に参加する活動ですから、それに伴う怪我や事故は、あくまで自分自身で責任を負うのが原則です。もちろん、参加を呼びかける主催者側としては、怪我や事故を避けるための十分な配慮と、無理のない活動計画、作業計画を立てるようにしなければなりません。
しかし、いくら注意していても、怪我や事故は起こりうるものであり、また、原則は参加者それぞれの責任とはいえ、主催者側としては、やはり不安になってしまうものです。そこで、安心して活発に活動を行うためには、保険に加入しておくほうが無難です。参考までに、各種の行事や催しを対象とした災害保障保険(普通傷害保険+施設賠償責任保険)について、その例(1999年現在)を簡単に説明します。
保険は原則として、参加者の傷害事故に対応する傷害保険と、主催者の賠償責任事故に対応する賠償責任の2つの保険(セットになった保険もあります)に加入する必要があります。また参加者の賠償責任事故についても検討する必要はありますが、ここでは省略します。
※レクリエーション保険は、里山保全活動の対象となりませんのでご注意下さい。
(a) 傷害保険
この保険は、活動中(開催から解散まで)の急激かつ偶然な外来の事故により参加者が死亡もしくはケガをされた場合に保険金が支払われるものです。日帰り活動の場合、団体の活動中のみを担保する方法で加入することができます。保険料は前年の活動実績によって算出されますので、個別に保険会社に問い合わせてみてください。
また宿泊を伴う活動には、国内旅行傷害保険で契約(1契約最低保険料500円)するのが一般的です。
契約の例) 死亡・後遺障害500万円/入院保険金日額5,000円/通院保険金日額3,000円の場合
●国内旅行傷害保険の1名3泊4日までの保険料=367円
国内旅行傷害保険については、原則として契約時に名簿を提出して契約しますので参加者の自宅と開催場所の通常経路における往復途上の事故は対象になっています。