同じ島の三井楽町嵯峨島のオーモンデーは室町時代、倭寇が南から持ち帰った鎮魂の文化だとの伝承がある。若者たちが五色の張紙で飾ったカブトを頭に、黄色の布を腰に巻き、ワラの腰ミノ、首から吊るした犬皮の桶胴太鼓をたたきながら輪になって踊る。身をよじり、背をかがめてしのび足、一転してバチをかざし天を仰ぐ。哀調を帯びた裏声で
モーデーホー オーモン
オーモン オーデーホー
寺、無縁仏の墓地、新盆の家の庭で踊る。
それと対照的に、東北地方では、勇壮華麗な鬼面の鬼剣舞や、回向の歌に合わせ太鼓と共に整然と踊る鹿踊りが、新盆の家を巡って、他界へ旅立った人々の霊を慰めていく。