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ただよう硫黄の匂い。誰が名付けたのか賽の河原、修羅の地獄、八方地獄、血の池などがあり、鉦をたたき、和讃を唱えて巡礼の人々にふさわしい他界への入口を思わせる。

霊場に建立されている伽羅陀山地蔵(からださんじぞう)堂には、彼岸に去った霊を呼び戻してくれるイタコと呼ぶ霊媒人が何人も居て、頼めば死別した親、伴侶、子供たちが、彼岸で何を思っているかを聞かせてくれる。ここは死者の世界との境界線なのである。歩んで行けるところにある他界。日本人らしいこの霊魂観は、全国各地の盆の魂迎え行事にも見られる。

 

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11] 恐山のいたこ

 

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12] 恐山の石仏

 

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13] いたこの口寄せ

 

 

 

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