(2) 主要外来植生の分布及び特性と課題
1) 主要外来植生の分布状況
表3-1からモクマオウ群落・ソウシジュ群落・ギンネム群落・ハマスゲ―クリノイガ群落・シロノセンダングサ群落・ナピアグラス群落・コマツヨイグサ群落などの主要外来植生の分布状況を概観する。
北地区の丘陵と段丘(段丘崖も含む)にはモクマオウ群落(植林)とギンネム群落が分布する。面積的には後者が広い範囲を占めている。前者は段丘崖に生育する。
中地区の砂州と砂丘と砂浜にはモクマオウ群落(植林)・ギンネム群落・ハマスゲ―クリノイガ群落・シロノセンダングサ群落・ナピアグラス群落・コマツヨイグサ群落などが分布している。畑地ではシロノセンダングサ群落とハマスゲ―クリノイガ群落が広い面積で繁茂している。
南地区の非石灰岩域の丘陵と段丘にはギンネム群落・ナピアグラス群落・モクマオウ群落(植林)・ソウシジュ群落(植林)が分布している。特にギンネム群落とナピアグラス群落は段丘崖に集中してみられる。
以上から、これらの自然度の低い攪乱(かくらん)された環境は、植物種間の競争圧が最も低い生態空間である。従って、外来植物が容易に侵入し、群落を形成する。一方外来植生は環境圧と自然度の高い環境では分布がほとんど確認されなかった。
2) 特性と課題の整理
外来植生(帰化植物群落)は特に中地区の耕作畑、放棄畑、道路および段丘崖において見られる。帰化植物群落は攪乱(耕起・草刈り・踏圧)やストレス(肥料・水分)の強い生態空間に対して高い適応能力をもっている。従って、このような生態空間はゼネラリストである帰化植物群落の生存の容器になっている。