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鹿児島サテライト会場

 

「南九州の観光イメージ発信」

 

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開会の挨拶をする吉留鹿児島県副知事

 

鹿児島サテライト会場は「南九州の観光イメージ発信」をテーマに2月1日、鹿児島市の城山観光ホテルでフォーラムが開催されました。主催者を代表して吉留史郎鹿児島県副知事が挨拶したあと、フォーラムが始まり、前段は「南九州の観光イメージ発信」をテーマに、石田尾博夫第一工業大学教授がコーディネーター、美術評論家、プロジェクトプランナーの伊東順二氏、フリーアナウンサーの青山佳世氏がパネリストとなって基調鼎談が行われました。これを踏まえ、後段は中央委員、地方専門委員のほか鼎談者や迫田昌鹿児島県商工観光労働部長も加わり、討議・意見交換が行われました。その結果は石田尾コーディネーターが全体会議で次の要旨で報告しました。

「南九州は豊かな自然と文化および歴史など観光資源に恵まれていますが、その魅力を伝えるイメージの形成、情報発信が十分に定着していない。こういう認識のもとで、1つは広域連携による新たな観光イメージ創出とその方策。もう1つは情報発信のあり方、あるいはどういう連携が可能なのかを意見交換しました。主な意見を5つの柱にまとめました。

1]いま観光に求められているものは何か。代表的な意見として観光の本質は異文化交流、体験です。最近は見るから体験へ変わり、さらに滞在型とするにはホスピタリティをつくりあげることが大切です。また、21世紀は癒しなど多様なあり方を模索すべきです。2]魅力ある観光イメージの発信事例では、自然観光と文化観光という切り口で前者はバリ島、後者はニューヨークの事例が紹介され、また生活文化観光型の観光地も紹介される中で、インターネットの活用という視点もだされました。3]新たな地域イメージ創出の方策として、観光資源の切り口に観光工学、海洋資源の探索が提案され、また、素材をあるがままではなくコーディネート、仕掛けの装置が必要とされました。さらに、科学的調査、徹底的な市場調査も重要で、プロモートできる人材登用やボランティアの育成が指摘されました。4]観光イメージ発信の今後の課題・方策に関しては、「海と宇宙」、「日本を癒す南九州」といったイメージが示されたほか、温かみのある統一カラー、キャッチフレーズの研究が促されました。5]最後にコーディネーターとして、個性的なイメージを情報発信する体制づくりと意識改革が必要であり、他地域との差別化を明確に打ち出すべきと思います。」

 

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石田尾博夫氏

 

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伊東順二氏

 

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青山佳世氏

 

基調鼎談

「南九州の観光イメージ発信」

 

【石田尾】南九州の観光魅力を伝えるイメージについて観光への関わり方からお話をお伺いします。

【伊東】今、最大の観光地といえばインターネットです。観光には自然観光と文化観光があります。文化観光で世界一はニューヨークです。一方、自然観光は新しく、脱近代化としてリゾートと結びついています。インターネットはその両面を瞬時に見せてくれますが、臨場感がない。体感・体験できない欠点もあります。その両方が融合した成功例が、実はバリ島なのです。

【青山】私はNHKのテレビ番組を担当し、群馬県の新治村へ行った時です。ほとんど知られていなかった地域が、職人を集めて工房をつくり、匠の街づくりを行いました。すると口コミで訪ねてくる人が増え、いまは大変な人です。

【伊東】21世紀の観光で必要になるのはヒーリングだと思います。九州三県は自然、文化、そして人々にも恵まれた地域です。ヒーリングをテーマにしていただきたい。

 

 

 

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