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はじめに

 

近年、観光は国民の生活にゆとりや豊かさを与えるものとして、(社)経済団体連合会は平成12年10月に「21世紀のわが国観光のあり方に関する提言」の中で観光の意義と重要性を提起するなど、21世紀における主幹産業として、新世紀を迎えて、より一層大きな期待がかけられております。また、旅行者ニーズの変化等の需要面において質的に大きな変化が見られるようになってきている中、同年12月に出された観光政策審議会の答申には、「観光客の多様なニーズの把握が遅れがちであるほか、新しいツーリズムの受入れ体制の整備も不十分である」と指摘されています。

このような状況に対処するためにも日本観光協会では、国民の観光旅行の実績と希望がどのように変化してきているかを明らかにするために、昭和39年から隔年で「国民の観光に関する動向調査」を行ってきました。

このほど、平成11年4月から平成12年3月にわたる国民の観光旅行の実績と、平成12年4月から1年間の観光旅行の希望に関する調査結果がまとまりましたので、『観光の実態と志向(第19回)』として公表いたします。

ここ最近、日本人の国内旅行参加回数は長引く景気低迷のあおりも受けて、宿泊観光旅行は減少傾向にありますが、日帰り観光レクリエーションは前回よりも若干増加しました。このような傾向をうかがい知ることができるのも、本調査は前述したように昭和39年から隔年で実施されており、過去の数値と時系列的に比較できるためです。

また、本調査は全国的なレベルで実施しており、国民の健全な観光旅行の普及・発展を図るため、各種の観光諸施策推進のための基礎資料として、さらには、多方面にわたる分野での調査研究や国民生活の基礎資料としても、これまで広範囲に活用されてきております。本書が今後も引き続き活用されれば幸いに存じます。

末筆になりましたが、調査にお答えいただいた方々には貴重な時間をさいてご回答頂きました。ここに記して厚くお礼申し上げます。

 

平成13年3月

社団法人 日本観光協会

会長 石月昭二

 

 

 

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