おいしい水の条件(厚生労働省おいしい水研究会 1985)
蒸発残留物 30〜200mg/l
硬度 10〜100mg/l
遊離炭酸 3〜30mg/l
過マンガン酸カリ消費量 3mg/l以下
臭気度 3mg/l以下
残留塩素 0.4mg/l以下
水温 20℃以下
Q188 地下水は美味しい水なの?
A188 雨水は蒸留水と同じで、ほとんど塩分は溶けていません。雨水が地下に浸み込んで地下水になり、地層の間をゆっくり流れると鉱物から色々なミネラルを溶かし出します。ミネラルとは硬度の成分であるカルシウム、マグネシウムの他に、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガンなど、水中に溶けている鉱物質の物質で、その量が水の味を左右します。
ミネラルが多すぎる水はしつこくて、鈍い味がし、さらに多くなると苦み、渋み、あるいは塩味を感じます。ミネラルが少なすぎると、淡白でこくが無く、気の抜けた味となります。
美味しい水は、ミネラルの量が1リットル中に30〜200mg含まれる水で、中でも100mgほど含まれる水はほんのりと甘く、まろやかな味がします。
硬度とはカルシウムとマグネシウムの合計量(MgCO3をCaCO3に換算)をいいます。ヨーロッパの地下水がまずいのは、硬度が高くミネラルが多すぎるためです。日本の水の硬度が20〜80mg/lに対し、ヨーロッパの水の硬度は200〜400mg/lに達します。硬度の低い日本の水になれている日本人はヨーロッパにゆくと下痢をすることがあります。
炭酸ガスも地下水に含まれています。炭酸ガスは新鮮でさわやかな味を与え、水中の炭酸ガスは舌や胃を刺激し、消化液の分泌を促進する効果があります。多すぎるとピリピリ舌を刺激し、まろやかさを失います。少なすぎると湯冷ましのような気の抜けた味になります。
酸素も水に溶けて清涼感を与えます。酸素のない水は死んだ水で、硫化水素や鉄分などいやな臭いや、味を与える物質を伴います。
日本の地下水はほとんどの地域で美味しい水の区分に入ります。