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Q142 国際的に湿地を守る活動が盛んなのは何故ですか?

A142 特徴的なのは、国境を超えて移動する渡り鳥が湿地を摂餌や休息場にしていることで、1つの国だけで保護しようとしても困難なことです。そのため、研究関係や市民団体などが国際的なネットワークをもって、保護や生息地の環境保全に取り組んでいます。近年では、鳥だけでなく、海岸でのウミガメも国際的な連携をとるようになっています。また、個々の地域の湿地に固有の生物の保全についても、環境計画や保護政策などについての国際的な意見や情報の交換が官学民で盛んになりつつあります。

 

Q143 専門家は海の環境保全のためにどのようなことができますか?

A143 専門的な知見を蓄積し、発表し、学術的成果を挙げることが普通には考えられることです。しかし、環境保全ということになると、その純粋研究のなかから、現実の問題に対処するための智恵や情報を抽出することも大事な役割になります。専門委員会などの学会や行政による組織的な活動もありますが、個人やグループの研究者によるボランティア的な活動(アドボカシー)も重要です。最近は、電子ネットワークが発達しているので、遠隔地の研究者と地域住民が電子メールなどで情報や意見の交換をしたり、同じ興味を共有する人達のメーリングリストなどが発達してきたので、アドボカシーがやり易くなってきました。

 

Q144 一般市民が海の環境保全のためにできることは何ですか?

A144 海に興味をもって、好きになること。それを他人にも伝えること。気付いたことをメモしたり、標本を採集して記録をとるなどの研究的活動。ゴミを捨てない、排水に気をつけるなど生活様式に注意して、環境負荷をかけないなどが考えられます。身近なことからいろいろなことが出来ます。

 

Q145 垂直な護岸は、自然界の断崖とどのように違うのですか?

A145 自然界にも断崖絶壁などの垂直に近い地形は水辺に存在します。しかし、表面を良く見るとでこぼこしています。人間がコンクリートや石で造った構造物のように、幾何学的な直線や平面でのみ構成された地形は自然の水辺には見当たりません。人工物の垂直な護岸に水が当たると、反射波といわれる波が沖に向って戻っていきます。一方、沖から岸へと次々押し寄せる波とぶつかりあって、水面がとげとげしく波立つような状態がずっと続きます。自然の水辺では、岸の地形がよりランダムになっているので、このような現象が同じ場所で続くことはありません。

 

Q146 コンクリートの構造物は水辺の自然環境に影響を与えるのですか?

 

 

 

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