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b)マラリア原虫検査成績

マラリア原虫検査成績は表6に示すごとく、ケラ・セルジャン村とバンザ村で採血した合計276名の中176名(63.8%)がマラリア原虫陽性であり、その中熱帯熱マラリア陽性が109名(39.5%)、四日熱マラリア陽性が141名(51.1%)であり、本年度は卵形マラリア原虫陽性者は検出されていない。これらのマラリア原虫陽性者176名の中熱帯熱マラリア原虫のみが陽性であったのは35名(19.9%)、四日熱マラリア原虫のみが陽性であったのは67名(38.1%)、両種のマラリア原虫が陽性であったのは74名(42.0%)であった。この両種混合感染者74名は全検査数からみると26.8%となる。ケラ・セルジャン村で採血した203名の中117名(57.6%)がマラリア原虫陽性であり、その中熱帯熱マラリア原虫陽性が72名(35.5%)、四日熱マラリア原虫陽性が95名(46.8%)であった。これらの陽性者117名の中熱帯熱マラリア原虫のみが陽性であったのは22名(18.8%)、四日熱マラリア原虫のみが陽性であったのは45名(38.5%)、両種のマラリア原虫が陽性であったのは50名(42.7%)であった。この両種混合感染者50名は全検査数203名からみると24.6%となる。一方バンザ村では採血した73名の中59名(80.8%)がマラリア原虫陽性であり、その中熱帯熱マラリア原虫陽性が37名(50.7%)、四日熱マラリア原虫陽性が46名(63.0%)であった。これらの陽性者59名の中熱帯熱マラリア原虫のみが陽性であったのは13名(22.0%)、四日熱マラリア原虫のみが陽性であったのは22名(37.3%)、両種のマラリア原虫が陽性であったのは24名(40.7%)であった。この両種混合感染者24名は全検査数73名からみると32.9%となる。以上の成績を眺めてみるとマラリア原虫陽性者はケラ・セルジャン村で57.6%、バンザ村で80.8%とバンザ村の方が高率であった。また熱帯熱マラリア原虫の陽性率はケラ・セルジャン村で35.5%、バンザ村で50.7%とバンザ村の方がやや高率であり、四日熱マラリア原虫陽性率もケラ・セルジャン村で46.8%、バンザ村で63.0%とバンザ村で高率であった。これらのマラリア原虫陽性者の中昨年度受診し、陽性であった者に対しては現地でクロロキンを投与したが、本年度初めて陽性を呈した者に対しては来年度にクロロキンを投与し、原虫数の多い症例に対してはメフロキンまたはアルテミシンを投与する予定である。

 

E) 全検査受診者の検査成績

健康手帳を配布しているケラ・セルジャン村とバンザ村で、厚層塗抹法とMGL法による糞便検査と血液検査のすべてを受診したのは、ケラ・セルジャン村では199名、バンザ村で60名であり、その陽性者の検出寄生虫の種類を纏めたのが表7および表8である。

 

 

 

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