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全国的な患者数はWHOに報告されているごとく、1999年度は850名、1998年度の新患は502名とのことであった。また、日本財団からWHOを通じて寄贈されたMDTも良く管理され、有効に使用されていた。なお本診療所ではハンセン病以外の外来患者も1日平均100名の診療を行っているとのことであった。

寄生虫対策に関しては、前記のごとく、ケラ・セルジャン村を始めバンザ村およびウワンゴ診療所の何れにおいても新しい受診者が増加しているにも拘わらず、寄生虫の陽性率が極端に増加していないのは、住民に対する衛生教育とともにこれまで現地の検査技師に検査技術の移転を行った成果の賜物であると思われる。このように現地の看護士および検査技師が独自に寄生虫の検査、診断が出来るようになり、また、衛生士が衛生教育の手法を会得したのは継続されている笹川記念保健協力財団の寄生虫対策調査が徐々にではあるが効果を現わしているからだと判断される。

今回の調査でも例年のごとく遠心器、顕微鏡、注射器、スライドグラスなどの検査器材およびプラジカンテルやコンバントリンなどの薬剤など46品目の供与を行ったが、大統領府のザフィオ医務官を通じてパタセ大統領から感謝の意が伝えられ、また、直接話合いをした保健大臣や保健省幹部、現地住民の人々から笹川記念保健協力財団に対し、深い感謝の意が伝えられた。なお川合大使を始め日本大使館の黒沢医務官などからも感謝されたことをご報告したい。

 

【調査団の構成】

団長 辻守康(杏林大学医学部熱帯病・寄生虫学教授)

団員 下田健治(川崎医療短期大学部助教授)

団員 寺地弘行(広島県福祉保健部環境衛生課主任技師)

 

【調査日程】

2000年8月15日(火) 辻、下田、寺地の3名は22時10分AF273便で成田発。

16日(水) 04時25分パリ着。パリのホテルに直接出かけるも満室だったので、昼までパリ市内のエアフランス事務所で航空便のチェック。辻は午後13時より18時30分まで元フランス科学技術省国際課長、日本担当のMme.Nagelと会合。

17日(木) 午前は在パリの日本大使館に、昨年まで外務省のアフリカ一課で中央アフリカ共和国担当であった岩田書記官を訪問、13時00分より元在中央アフリカ共和国日本大使館の書記官であった倉光書記官と会食。併せてフランスから見た中央アフリカ情勢について討議。19時30分ホテル出発、20時00分ドゴール空港到着。23時15分にAF880便でパリ発。

 

 

 

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