*It is better to travel than to arrive.
ミーティングの最後、指導専門家のスマナ・バルア先生から研修の総括としてのメッセージを頂いた。
まず、先生ご自身が縁の下で尽力された結果、日本から、ある途上国への物資の寄贈が成された事例を紹介され、自分が描いた目標が実現されれば、それが自分の功績となるかどうかは重要ではないことを示唆された。次に、自己のアイデンティティを確立することの重要性を指摘された。その為に、
Who am I? /Where did I come from? /How did I come here?
Where shall I go from here? /What shall I do there?
以上の質問に対して自分なりの答えを持つようアドバイスされた。この答えを模索することが、ひいては、20年後、どのような日本に住みたいのか?その為に何を成さねばならないのか?といった問題意識を持つことにつながる、とのことであった。
最後に、“It is better to travel than to arrive.”という先生の恩師のお言葉をご紹介頂いた。広い視野を持ち、自分の理想とする目標に向けて探求を続けて欲しい、この言葉にはそのような願いが込められているとのことであった。
先生のメッセージには重みと説得力があった。御自身の人生を通して現場にぶつかりながら体得された物であればこそであろう。フィールドで曲がりなりにも、現場の魅力と困難さの一端に触れた我々学生にとって、先生の言葉の根底にあるリアリティーは何にも勝る箴言であった。その箴言を一人一人の胸に、我々は帰国の途についた。我々の旅は端緒についたばかりである。 (江副)