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2. リプロダクティブヘルス

3. 住民の保健事業への参加

の三本柱に基づいたプロジェクトを実施している。

国際保健に関わる日本人の誰もがもつであろう「何のために」という問いがある。「人口問題は地球レベルで解決して行かなければいけないことだから」ということが、一つの答えではないだろうか。

 

2] 九里武晃医師の講義 〜救急の現場から国際保健へ

九里医師は卒後、救急の医師として働き、そして国際医療の現場に飛び込んだ。フィリピンでは衛生的に安全なトイレの設置をすすめる「トーサンプロジェクト(父さんと掛けているらしい)」の実行に活躍している。

九里医師は、日本の医療の臨床経験を持つのに、フィリピンでは臨床医療はできないという悩みなどを率直に明かしながら話をすすめ、言葉、慣習、家族など、外国で働く現実的な問題を甘く見ないよう指摘された。

 

講義終了後、二人の医師を囲んで話は夜中まで続けられた。公衆衛生の現場で働いてきた湯浅医師、一方、臨床経験の長い九里医師、各々に輪が出来て、学生達はどちらの経験も貧欲に聞き出そうとしていた。国際保健の現場が案外と地道な仕事であること、理想はあっても、必ず現実の問題があるということがよく伝わってきた。が、現地の日本人スタッフの顔がどなたも輝いて楽しそうな姿であったことは、好きで仕事をしていること、仕事に対する喜びと誇りがあることを感じさせた。 (八島)

 

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JICA専門家を囲んで

 

 

 

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