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つまり、援助を受ける側の環境が非常に不安定であるために、予想不可能な要因を必然的に含むことになり、そのため、評価するというある基準に当てはめる、ような考え方をすることは非常に困難であると考えられる。

しかし、そういった状況の中でも、少しずつ改善されていっていると伺った。例えば、以前はプロジェクトを立ち上げるのに少なくとも2年はかかっていたために、プロジェクト発案当時と実施時にずれが生じ、援助を100%生かしきれないことがあったが、現在では小規模のプロジェクトを実行するときはなるべく迅速に対応するよう努力しているということだった。また、プロジェクト方式にのっとった援助を行うことで、器材を送ったがそれをうまく使いこなせないといったトラブルの解消に努めているそうだ。

研修に行く前は、日本で暮らすものの常識で物事について判断していたが、現実の世界は、日本での常識が通じず、日本では考えられない環境の差、文化の差が横たわっているのだと感じた。このような事は、よく言われていることなので知識として頭では分かっていたとは思うが、今回の研修ではその差を肌で感じることができたように思う。

 

 

 

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