これを香港などに輸出して、生活費を稼いでいるそうです。病院外にもあまり仕事がないこともあって、子供が遊び回る暑い部屋の中で50人近くのお母さんたちがせっせと人形を作っていました。人形は白雪姫のスカートをひっくり返すと、毒リンゴを持ったばあちゃんがでてくるという一粒で二度おいしい作りでした。私も含めてメンバーの多くがこの人形を買ったのですが、私のうちに帰ってみると同じような作りの人形がすでにあって、実際に日本にも輸出されているのだなあと実感しました。
訪問を終えてみて、この病院は日本のハンセン病の病院のような「隔離」といった雰囲気がなく、結核などの療養所という印象を受けました。と言っても、患者さんの生活ぶりは大変そうで、薬剤だけではなく、もう少し経済的な援助もしてあげたらいいのではと思いました。 (吉國)
。?AWN
(Development Action for Women Network;女性の自立のためのネットワーク)訪問
この団体は、苦難にさいなまれる出稼ぎ労働者の女性達と、その家族に尊厳と価値を取り戻す希望を与え、社会に出稼ぎ女性の現状を伝えようとしている。DAWNの目標は以下のものが挙げられる。
・本国に戻されて困窮する出稼ぎ女性達に対して、家族やフィリピン社会に再融合するために、その出発点をつくる支援。
・出稼ぎ女性とその子供達の人権や市民権の確立に向けて、必要な法的な取り組みを支援する。
・出稼ぎ女性達がコミュニティーづくりに積極的に参加できるよう支援する。
・フィリピン国内の雇用機会の拡大と、質の高い雇用待遇獲得のために世論を喚起する。
・国内外でのあらゆる差別に反対する。
しかし、実際に私達が見た活動は、日比混血児が日本に来て演劇をするというプログラムと、女性達の自立支援プログラム(託児所を設ける、弁護士を斡旋する、職場の提供)であった。実際に何が目的であるのかという疑問がみんなの中でわきあがり、議論をした結果、次のような見解に達した。
<賛成意見>
・父親を見つけ認知されることで経済的・社会的に生活が保障される。
・感情のはけ口の一つとして劇を行うことも必要なことだと思われた。
・働く女性の自立支援を促すために託児所などを設けていることには賛同できた。
<反対意見>
・父親に会うことが子供にとって本当にいいことなのかどうかがわからなかった。
・ビデオに関しては、子供のためというよりも広報活動の一環としてしか見ることができなかった。