日本財団 図書館


その際ヘルスワーカーが助言し、患者が実際に薬を飲み込むのをまず見る(監視)。各グループの患者の分析を行うことにより、保健サービスが85%治癒率を得ていない地方や集団を迅速に確認することができ、それに基づいて、その地域を支援トレーニングすることが可能となる。(いったん見つけた患者の85%以上治癒したら結核患者数は減少する。)

 

○考察

結核治療法の一つであるDOTSは、まだ広範囲には行われていないが、確実に投与することにより患者数が減少するという点で、非常に有効な方法であると思った。しかし、一方で監視下で薬を飲むことは人権問題が絡んでくるという難しい問題も抱えている気がした。DOTSを行う場合の成功の秘訣は、最先端の医療者と患者との信頼関係だということを伺ったが、スタッフ選びも大切なのではないかと思った。

いくら薬や病気のことに関して高い専門性を持っていたとしても、患者さんからの信頼(コンプライアンス)が得られなければ、到底85%以上の治癒率を達成することは出来ないのではないかと思った。また、患者さんがドロップアウトしそうな時に、地域が患者さんを支援したり励ましたりすることも大切で、そういったことをマネージメント(コーディネート?)する能力のある人材も必要なのではないかと思った。そして何よりも、患者さんに継続して薬を服用してもらうためには、実施目的を事前に説明することが不可欠だと感じた。 (下島、石井、清水)

 

○3月8日 今日の一言

目原:ハンセン病資料館の見学良かったです。

石井:ハンセン病資料館での貴重な体験談、そしてAllでの意見交換。考えさせられることの多い一日だった。

吉國:並里先生のハンセン病のlecture、資料館での体験談はとても勉強になりました。代わりに結核の説明ではZZZ…。

土屋:ハンセン病資料館で平沢さんから聞いた言葉『患者を1人の人間として自立させるのも医師の役割』、忘れないでいたい。

堀内:並里先生のハンセン病の講義は1時間では足りませんでした。もっと聞きたい。また、資料館では平沢さんが説明のあと握手して下さった。その手の冷たさに後遺症、心の傷に苦しむ人達を同じような過ちで生み出してはならないという思いを強くした。

下島:何か1つでも、だれかの心に残ることができたなら、それだけで生きている価値があるのだと思う。

田中:参加型の試みがもっとほしい。2時間聞きっぱなし(結核)は残念。

清水:国内の人達といっぱいお話ができてよかった。宴会部長の神山君、門田君に感謝。

神山:全生園の近所に住む私としては他の人とはちがう視点でみられたと思う。ただ正直な話、地域住民の全生園に対する偏見はまだ捨てきれない気もするのだが…。

渡:全生園の方のお話は一言一言がずしりと心にひびいた。

門田:Allしてしまいました。貴重な話をしました。

岡村:結局寝なくてケッコウーキツイ。ハヤクネタイヨ。

薄田:またつぶれかけました。進歩がみられません。

里野:「ここの資料館に来たことを、困難に立ち入った時、何かの力にして欲しい。」という平沢さんの言葉が忘れられない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION