パベル・バーマン
(ヴァイオリニスト)
パベル・バーマンは1970年にモスクワに生まれ、4歳半でヴァイオリンを始める。7歳という若さでロシア最高の音楽学校といわれるモスクワ音楽院中央音楽学校に入学。その後、チャイコフスキー音楽院へ進学。17歳でヴィヴァルディのヴァイオリン・コンチェルトをゴーキー管弦楽団と共演し、デビューを果たす。その後、ソヴィエト連邦各地にて広いレパートリーを披露した。同年パガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール(1987年)にて第2位を受賞。
1990年にはインディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールにて第1位、金メダルを獲得。同コンクールの審査員や観客らからバーマンの音楽性、高度な演奏技術、洗練された演奏スタイルを評価され、パガニーニ・カプリス及びイザイ・ソナタの最優秀演奏者に与えられる特別賞を併せて受賞。
世界各国の主要なコンサートホールにて国際的に著名なオーケストラとの共演やリサイタルなど演奏活動を行う一方、1992-93年にはジュリアード音楽院にて世界的に著名なドロシー・ディレイ教授に師事。NY在住中のアイザック・スターン巨匠との出会いも、バーマンの音楽に大きな影響を与えた。
しかし、何といってもバーマンの音楽性は、伝説的なロシアの著名ピアニストである父親ラザー・バーマンから最も影響を受け、今でも父子でしばしば共演し、各地にて絶賛を浴びている。
ヨーロッパ、アジア、米国各地でのソロ演奏活動に加え、ローマやミラノの国際室内音楽祭の企画を手掛け、マルボロ音楽祭にもデーヴィット・ソイヤー、今井信子、ブルノ・カニノ、アンドラ・スチフ他著名音楽家と共に参加している。1997年12月にリトアニア共和国のバルティック・バーチュオーゾ室内オーケストラの首席音楽監督に任命され、バーマンのキャリアは大きな転機を迎えた。今シーズンには、パガニーニの24のカプリスを作曲家グドリウス・クプレヴィスが一曲のオーケストラ曲に編曲したものを同オーケストラと世界初演する。この曲は、作曲家よりバーマンへ捧げられている。