魔術に使われる妙薬は、年に1度キリストの復活を祝う聖週間に作られます。前もって集めた約30種類の薬草や枝などを細かく刻み、石や貝・ココナツの油などと大鍋で煮詰め、使い道によって更に他の材料を加えます。聖金曜日の夜に教会へ運び、祭壇前の台に並べてラテン語・スペイン語とビサヤ地方の言語が混ざった呪文を唱え、教会の聖水をかけて仕上げます。
一部は蝋と混ぜて鉄鍋に入れ、下から火であぶります。固まったものに火をつけ煙を吸うと病気が治るといいます。土曜日の朝には大勢の村人たちが蝋を求めて教会に並ぶそうです。