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事例7

出張研修参加中に心身症を発症した事例

 

35歳、総合病院看護婦長

 

地方の総合病院に勤務していて、3年前から病棟婦長の職にあり、性格はおとなしくてやさしく、仕事もきちんとこなすということで、性格上も職務上も評判のいい婦長でした。

たまたま中央で、中堅婦長を集めての研修会が行われることになり、中規模の病院であったため本人一人が選ばれて参加することになりました。

3週間の予定で、中央の大きな病院の附属の研修施設に宿泊しての研修が始まりました。

研修の内容は、看護上の問題、患者や家族への対応、病棟管理の問題、また医療ミスを防ぐためにはなど多岐にわたり、単なる講演だけでなく、グループによるディスカッションも多く組み込まれていました。

もともと、おとなしくて、どちらかといえば引っ込み思案のところもあり、地方から出てきて、今までにこのような研修に参加したことがなかったので、本人としても何か途まどいを感じてはいたようでした。

研修が始まって、一週間目位から、急に視力が低下してきたのに気付き、1〜2日するうちに、ほとんど活字も見えないような状態となったため、研修施設が所属する病院の眼科を受診しました。そこで、いろいろと検査を受けましたが、視力低下の原因がわからず、眼科医は器質的な異常は何も認められず、精神的な面に問題があるのではないかと考えて、心療内科に相談しました。

 

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