事例5
仕事が合わず心身症を示し配置転換でよくなった事例
26歳、総合病院看護婦
国立病院付属の看護学校を卒業後、引き続きそ病院に就職し、最初の2年間は内科病棟、次の3年間は小児科病棟で勤務していました。
まじめでやさしく、子供たちにもなつかれ、病棟婦長からの評判もいい看護婦で、本人もこの病棟が一番自分の性に合っていると感じていました。
病院の定期異動に際して、手術室への勤務を命じられ、正直なところ、小児科病棟を離れ難く、余り気は進まないままに、新しい職場での仕事を始めることになりました。
どんな職場でも神経を遣うのは当然なのですが、特に手術室というところは、スピードを要求されることが多く、とまどいながら仕事についていました。もちろん、そこでは新人ですから、特別難しいことをいいつけられるわけではなく、別に仕事上のミスがあったわけでもありませんでした。
2〜3週間すると、仕事中にめまいや吐き気をおぼえ、何となく胃の調子が悪いなどの症状が出てきて、寮へ戻ってもその症状が治まらないということもあり、病院の耳鼻科や消化器科で検査を受けることになりました。検査も含めて、とりあえず2週間ほど休むようにいわれ、休養しながら検査を受けましたが、いずれも異常は認められず、新しい職場での疲れが出たのであろうということで、職場に戻りました。
しかし、本人としてはどうしても仕事になじめず、悲観的になり、再び同様の症状が現れ、激しい胃の痛みまで訴えるようになりました。再度、胃カメラなどの検査を受けたところ、軽い胃潰瘍があるということで、服薬と休養の指示を受けましたが、この時に消化器科の医師は、この胃潰瘍はストレスによるものではないかと疑い、あわせて心療内科医への受診を勧めました。
インタビューや心理テストなどで、やはり新しい職場での仕事が本人に合わず、それがストレスとなっての病状の可能性が大きいとされ、上司と相談するように勧められました。