日本財団 図書館


問題はより深刻な状況についてのクラス担任としての対処ということになります。例えば、クラスの中で激しいいじめがある。この場合は、いじめる方、いじめられる方、両方への対応が必要になります。また、校内暴力とか、校外での非行など普通の生徒の行動からみると極端に逸脱した行為などが考えられます。

このような時によくいわれるのは、家庭に問題がある、社会に問題がなどということですが、確かに、このような問題を起こす生徒の背景に、家庭内のことが存在することも少なくありません。

しかし、よく考えてみると、前に述べた精神疾患発症の要因などと共通するところがありますが、同じような状況にあって、必ず同じような反応を示すというわけでもありませんから、やはり本人の方により問題があると考える方が普通なのではないかと思います。

それはそれとして、家庭内に問題があればもちろん、家庭内に特別のことがないとしても、本人と家庭と両方に対応を考えることになります。

このような時、通常の授業や課外活動の指導の範囲を越えた時間帯でということになるでしょうから、時によっては夜とか、休日をつぶしてという場合も多くなりますので、時間的にも過重になるのが普通です。更に、このような問題生徒の家族―主として両親ですが―は、必ずしも協力的でなかったり、理解を示さないことも少なくありません。うちの子供に限ってというのはよく聞く言葉ですし、逆に教師の対応に文句を付けることもあり、教師の側も、生徒本人や家族から危害を加えられることを心配しなければならないことすらあります。前にいいましたように、ここではその対応策を考えるのが主旨ではありません。教師が自分一人で抱え込んでしまうのは、むしろ解決にはなりません。といっても、クラスの運営などはその担当の教師にまかされているのが普通ですから、周囲がサポートするといってもなかなか具体的な面では困難なことが多いのも事実です。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION