2 中高年の健康管理
―こころとからだの両面から(メンタルヘルスを中心として)―
(1) 中高年とは
ここではマニュアルの主旨からどちらかというとメンタルヘルスの方が中心になるかもしれませんが、前にもいいましたように、こころとからだを切り離して考えることはできません。
中高年というのは、からだの面でもこころの面でも確かに若い人とは違うところがあります。
そもそも中高年というのは、何才からをいうのかという問題があります。
これは、人間の心身の老化現象はいつごろから始まり、いつごろから加速するのかということとも関係がありますが、個人差も大きく、暦上の年齢とは別な要因も多いので、なかなか決めにくいところがあります。
一応、大まかに40才から60才位を中年期、それから上を高年期と考えるのが一般的のようです。
定年が延びたり、職種によっては60才代でも70才を過ぎても働いている人はたくさんいますが、職場のメンタルヘルスという点から主として中年期を考慮に入れて、健康管理の問題を、個人及び職場としてどう考えるのかということを述べてみようと思います。
身体的な健康面については、職場の定期健康診断や希望者の人間ドック健診もありますし、個人個人がいろいろな方面からの知識を得ているということもありますのでここでは簡単にふれておきます。
何才から始まるということはさておいて、老化ということは避けられないことで、心身機能の低下を老化現象と考えるとして、一般には徐々に、また部分部分でということになりますし、老化を防ぐことはできないにしても、少しでもそれを遅らせるということはある程度可能だとも思います。
思春期に対して思秋期ということばを聞いた人もあるかと思いますが、思秋期というのは、思春期をもじった中年期のことだということは説明しなくても分かると思います。