また、実際に研究職に向くタイプ、経理が得意、社交的で対外折衝に向くタイプというのがあるのも確かで、それが全然別の方向の仕事に就くということになると、職場としても能率も業績も上がらないし、本人にとっても極めてストレスになります。対応とか、それによって起こってくるストレス状態のありようは別の章で考えてみることにします。また、この他に、向き不向きは別として、今までに従事したことのない、全く新しい仕事に就いたり、職場が変わったりすると、時には大きな精神的負担となることもよくあることです。これは次に取り上げる人間関係とも関連が出てきます。
それともう一つ、特に監督者や上司の立場で理解して欲しいことは、単調な仕事や、自らの意志決定の少ない仕事はストレスが多いということです。特に新人や勤務年数の浅い職員の場合、仕事の内容がこのようなことになるのは当然といえば当然ですが、簡単な仕事だからストレスなどたまらないだろうと考えてしまうのは大きな間違いです。
もちろん、一方で、自己の責任において、決定しなければいけない事項を抱えている立場、つまり監督者、それもかなり上の位置にいる場合ではそのことが大きなストレスとなってストレス状態を引き起こすこともよく見られることですから、結局一面的な見方に片寄らないということが大切です。
これは疲労との関係でもよくいわれることで、単調な仕事、自分に不向きな仕事はストレスの元になり、疲労度も増すとされています。
次に職場のストレスとなるもう一つの大きな要因は、職場内での人間関係がうまくいかないということです。これも上司と部下、同僚間、部下と上司といった関係が考えられますが、よほど特別な場合でない限り、どちらか一方が問題だといえないことが多いのです。例えば、上司でも同僚でも極めて性格の変わった、あるいは性格の偏った人がいた場合、一緒に仕事をする立場ではどうしてもうまくいかないで、ストレスとなることはそうまれなことでもないようです。