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「会議は多くあったけれど意味のある会議ではありませんでした」。

とにかく会社の一大プロジェクトを任されたマネジャーとしては何が何でも結果を出さなければということで一方的に管理を厳しくしました。もちろん、開発はスケジュール通りに運ばなければならない世界だから、そのための厳しさなら皆が従うのは当然のことです。

「しかし、結果を急ぐマネジャーの態度が先に出てしまったために、メンバーそれぞれの技術やアイデアを、自由に活かすことができなかったことが、今回の失敗の最大の原因だったと思います」。つまり自分の力を出し切る前に、プロジェクトはつぶれてしまったわけです。「それがどうしても割り切れません」。

 

「現在の上司の一言で問題を割り切り、症状が消失」

このプロジェクトのマネジャーは40代。いま40代はリストラ世代といわれます。この先、上昇できるのか下降していくかの瀬戸際にいる世代です。何か失敗をすればもう2度と第一線での仕事はできません。どの会社でも、元はばりばり活躍していたのに、今ではこれまでの経験が全く活かされない職場で意気消沈している40から50代の人たちが増えています。低成長でポストも仕事もありません。

この人たちは、家族を抱え、この先もサラリーマン生活を全うできればと望んでいる人たちです。これは無理のないことであり、この層の人たちに悪気はありません。しかし、その下に配属された意欲的な部下たちは、どうしても心の傷を受けてしまうことになります。

このプロジェクト・マネジャーも「失敗は絶対に避けたいという気持ちが強過ぎたことがかえって失敗を招いた」というのがメンバーの一致した感想だったようです。「でも自分のように40代が目の前に迫っている者にとっては、このマネジャーのことは他人事でなかったので一層苦しかった」とY氏は話します。

 

 

 

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