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―実践報告―

私たちは、静岡県の伊豆にある伊豆医療福祉センターという施設の太鼓チームです。結成されて5年になりますが平成11年度どんつく活動記録より子供達の変化を抜粋し実施報告にかえさせていただきます。

 

5月23日(日)韮山町福祉祭 韮山町保健福祉センター

新しくメンバーに愛ちゃんが加わってパワーアップしたどんつく。太鼓をはじめたばかりの愛ちゃんは、どんつくの3つの約束、自分で出来る事は自分でする事、出来ない事は手伝ってほしいと言える事、解らない事はもう一度聞く事がなかなか出来なくて困っていました。『愛ちゃん、みんなと一緒に本番に行きたいなら自分でお父さんに聞いてごらん。』自分でお父さんに言えた愛ちゃんはちょっと照れくさそうに初めての演奏にむかいました。サポートメンバーの伊藤さんにつられてまちがえそうになったのは義人君。和、カエルの歌、どんつくメドレー等演奏。見ていたおじいさん、おばあさんも喜んでくれました。

 

8月12日(木) 当センター夏祭り 伊豆医療福祉センター内

『兄が両手で打ってみろと言うのでばちをもう一本欲しいのですが』夏祭りを迎える直前の練習日、高志君が突然言ってきました。訓練で苦手な左手を使うよう促すと嫌な顔をする高志君のその発言に私たちはとても驚きました。祭りのオープニングの盆太鼓、フィナーレと2回の演奏。職員のチーム『どんくさ』がデビュー。五竜太鼓と3チームの演奏に見ているみんなも大喜び!近所の人達も見に来てくれました。

 

11月13日(土) 当センター主催福祉機器展 東部養護学校体育館

学校行事の関係で韮山の文化祭に出れなかったので機会をつくってもらいました。どんつくの練習とは別にクラブの時間を使って練習した真輝君や年一君涼介君が一緒に演奏。年君やまーちゃんがその後どんつくに入った事も大きなニュースでした。自分で練習の部屋に来れる事もどんつく参加の一つの約束だったからです。二人は、『行きたい!』と言葉に出す事が難しかったのですが、自分の太鼓をやりたいと言う気持ちを体で表現することで協力してくれる大人の手をゲットしました。出店していたヤクルトのお兄さんにごほうびをもらいました。

 

12月25日(土) どんつくクリスマスコンサート

毎年恒例のこのコンサートで、恭平君が帰ってきました。彼は、太鼓をみんなでやることは大好きでしたが太鼓の大きな音がこわくで続けて太鼓に来る事が大変だったのです。今では、『だいじょうぶ?』の声に笑顔でうなずいてくれるどころか『ばーか』と余裕の一言も出るようになりました。来年はセンターのみんなで太鼓をしようねという気持ちを込め、どんつくサンタが一人一人に手作りの太鼓をプレゼント。みんなで大合奏しました。

 

1月5日(木) 当センター新年の集い

職員、子供全員太鼓で新年のあいさつをかわしました。入院していた由実ちゃんも帰ってきました。由実ちゃんは太鼓が大好きです。『今度太鼓いついくのー』『太鼓楽しかったねー』『太鼓のおじちゃんなにしてるのかな?』『太鼓のおばちゃん電話する』太鼓を始めた頃はふざけてばかりで叱られていた由実ちゃんの口からいろんな言葉が聞かれるようになりました。そして、彼女は自分でできる事をみつけるためにいろんなことに挑戦中です。

 

 

 

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