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3 助六太鼓(すけろくだいこ)…東京都

演奏曲 おろし太鼓、白梅太鼓、まつり太鼓、二段打ち(おろしたいこ、しらうめたいこ、まつりたいこ、にだんうち)

 

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東京都文京区にある湯島天神は、勉学の神様として菅原道真公が祭られ、天神祭りなどでも賑わう東京の名所です。戦後の復興も落ち着き、東京に娯楽としてのお祭りが戻り、盆踊りなどが盛んに行われ始めた頃、もともと祭り好きで太鼓好きの江戸っ子が湯島天神に集まり、盆踊りの太鼓の技を競い合うようになりました。そして、昭和34年頃、古くこの湯島に残されていた太鼓の継承を目的とし、盆踊りの太鼓打ちが集まり発足したのが助六太鼓の始まりです。その後、太鼓好きが高じて年に一度の盆踊りの太鼓だけでは満足できなくなった仲間達で組太鼓を創作しました。

江戸の伝統を生かし、現代的にアレンジしたものを創作展開していく中、国際劇場の鳴物師・杵屋笹造先生に出会い、邦楽器の基礎指導を受ける機会を得ました。そこで邦楽の要素と現代に伝わる和太鼓文化の研究、同士相互の競走と協力を重ね、数多くの曲と打芸を生み出しました。特に今まで動きの少なかった和太鼓に盆太鼓で磨いた技を駆使し、躍るように打ち込んでゆく打芸は、助六流ならではであり、その中からセンス、バランスを淘汰した末、現在の粋で勇壮かつ、完成された組太鼓「助六太鼓」を確立しました。そして、湯島天神で生れたこの太鼓を保存太鼓として奉納し、名を残しました。

 

4 高野右吉と秩父社中(たかのうきち と ちちぶしゃちゅう)…埼玉県

演奏曲 秩父屋台囃子(ちちぶやたいばやし)

 

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当保存会は、昭和29年11月に行なわれた「全関東祭囃子コンクール」で優勝し、高松宮杯を獲得し、これを期に結成されました。

30年には会長が埼玉県より「無形文化財」として指定され、文化財指定30周年の記念として資財を投じて、太鼓練習道場「構文館」設立しました。

演奏活動としては、日本万国博覧会・神戸ポートピア・つくば博等に出演し、昭和天皇、現皇太子陛下の天覧を賜るなど、日本全国で活躍しております。

また、海外でも39日間のカナダ公演をはじめ、南アフリカ諸国・オーストラリア・アメリカ・中国など17カ国に招かれ演奏し、芸術面、技術面ともに絶賛されました。

 

 

 

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