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観どころ聴きどころ:

第1幕:パリの下町、屋根裏部屋(演出によっては他の設定になることもある。)

ヴェルディの中期のオペラのような序曲、前奏曲はなく、すぐに幕があがり、ロドルフォとマルチェロの対話でオペラは始まる。冷えこむクリスマス・イヴというのに暖をとる燃料もない、若者たちの生活だった。だが、希望を大きくもっている。青春の血は熱い。

「冷たき手を」一人部屋に残るロドルフォの処へ、下の階に住むミミがろうそくの灯を借りに。だが風で灯が消え暗闇(のつもり)。ミミが落した鍵を捜す二人の手が触れる。ミミに一目惚れのロドルフォは自分の身の上を彼女に語る。

「私の名はミミ」ミミも彼の求めに応じ、お針子生活の身の上を話す。名アリアの2曲である。二重唱「愛らしい乙女よ」外でロドルフォを呼ぶ仲間の声に応え、ミミ、ロドルフォは愛の一重唱を歌いつつ部屋を出る。一重唱が舞台裏まで続く幕切れが大変効果的。

 

第2幕:カフェ・モミュス「私が街を歩くと」ムゼッタのワルツ、でも知られるアリア。金持ちのスポンサーと一緒に通りかかったムゼッタがマルチェロを見かけ、彼の気をひこうと誰でも皆私をふりかえる、と歌う。前後のコミカルなはこぴも楽しいが、イヴの雑踏を演じる合唱も見もの。若者たちの描写も見事なのだが、イヴの賑わいをみせる合唱にこの幕の主役の感がある。

 

第3幕:明け方のアンフェール門。パリに通じる街道の関門である。ミミ、ロドルフォ、ムゼッタ、マルチェロの四重唱。2組の恋人たちが別々の感情を歌いながら最後に一体となって声を重ね、余韻をひいて幕が降りる。劇的効果もすばらしいのだが、早朝の物売りたちの点描も生活感がにじんで抜群である。そして四重唱の前にうたわれる「ミミの告別」が裏切を誘って胸をうつ。ミミは彼に負担をかけたくない、と別れを告げるのだった。

 

第4幕:元の屋根裏部屋。ロドルフォとマルチェロの一重唱「もうミミは戻ってこない」2人はもとの恋人が忘れられず仕事に少しも気が入らない。「さらば古いコートよ」コルリーネのアリア。コルリーネは大事にしていたコートを金に替えミミの医者代を、と外出する。だがその甲斐もなくムゼッタにつれられ懐かしい部屋に戻ったミミは死をむかえる。

(こやまあきら音楽評論)

 

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ショナール

 

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ムゼッタ

 

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ベノア

 

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アルチンドロ

 

衣裳画 岸井克己

 

 

 

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