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ごあいさつ

 

(財)藤沢市芸術文化振興財団理事長

藤沢市長 山本捷雄

 

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藤沢市制施行60周年を記念して、世界でも人気の高いオペラ「ラ・ボエーム」を藤沢で公演できますことを大変うれしく思います。

藤沢市民オペラは、故・福永陽一郎さんの指導のもと、1973年にスタートし、今回で17作品目となります。その間、「アイーダ」「トゥーランドット」のような大作も経験し、市民とプロの音楽家、行政が協同して制作・公演する市民オペラの全国的なモデルケースといわれるまでに成長しました。待に前回の公演「リエンツィ・最後の護民官」はワーグナーの出世作ともいわれ、そのスケールの大きさから、日本ではどの歌劇団も成し得なかった大作をみごとに成功させ、第41回毎日芸術賞特別賞を受賞するという大きな評価を得ることができました。管弦楽と合唱の比重が高いこのオペラの成功は、藤沢市民オペラをまた一歩成長させてくれたと思います。

今回の「ラ・ボエーム」は、12回目の藤沢市民オペラ「ファウスト」から福永陽一郎さんの後を引き継いでいただいた総監督、畑中良輔さんのご提案で、藤沢市民オペラ初の原語上演となります。プッチーニの作品の中でも、最も魅力的な旋律に富み、劇的効果を発揮しているといわれるこの作品は、合唱の場面が2幕に集中しています。合唱の皆さんには今までの作品以上に繊細な演技が要求され、しかも原語で歌わなければならない難しい役どころとなります。しかし、藤沢市の優れた合唱団の皆さんが、藤沢市民オペラの演出を数多く手がけてくださり、わが国を代表する演出家である栗山昌良さんの指導のもと、すばらしい「パリの情景」を表現してくれるはずです。

ソリストは、ベテラン、中堅のソリストがトリプルキャストで出演します。そして、1992年からスタートした藤沢オペラコンクールに入賞・入選した方の中からも9名の方が出演されます。コンクールの後、全国、そして世界へと活動の場を広げている若い声楽家の皆さんがコンクールと同じ舞台に立ち、藤沢市民オペラを盛り上げてくださることは、藤沢市の音楽文化を発展させるとともに、藤沢市民の喜びでもあります。

オーケストラは、創立してから40年の歴史とキャリアを誇り、今年の3月の藤沢市民オペラ、ガラ・コンサートでも活躍した藤沢市民交響楽団と藤沢ウィンド・オーケストラが共演します。指揮者は藤沢市内の湘南学園の出身で、青春時代を藤沢で過ごされた広上淳一さんです。平成8年のヴェルディ「レクイエム」でも合唱、オーケストラと息のあった熱演を披露され、私達に強烈な印象を与えてくださった広上さんが、藤沢市民オペラではどのようなタクトを見せてくださるのか、公演前から胸が高鳴ります。

市民オペラには、オーケストラと合唱団、ホール、そして魅力ある指導者の存在が不可欠です。藤沢市民オペラは、約30年の歴史の中でそのすべてを兼ね備えることができました。市民が芸術文化活動の担い手となった市民オペラを発展、継続させていくことが、藤沢市の芸術文化の創造、個性豊かな市民文化活動の活性化につながり、このような活動により文化のかおるまちづくりを推進することができると確信しています。

最後に今回の公演に対して多大な助成をいただいた日本芸術文化振興会、日本財団、三菱信託芸術文化財団、朝日新聞文化財団、東洋信託文化財団の皆様、そして、この公演を実施するにあたりご協力いただいた関係者すべての皆様に藤沢市を代表してお礼を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。

 

 

 

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