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相談員雑感

 

「おはようございます」とドアを開けて入る。大場さんのやさしい笑顔が「御苦労さま。寒かったでしょう」と迎えて下さる。ほっと気持ちがなごむ。「コーヒーでもお茶でもあるよ。お好きなのをどうぞ!!」ホットコーヒーで頭をすっきり。電話がかかってくる迄は、テレビや新聞の報道や、最近の社会情勢、はたまた、料理から旅行に至る色々な話が飛びかう。大場さんの博学、話上手に耳を傾けながらその中から又色々学ばされる事が多い。電話のベルが鳴る。一瞬私の気持ちの中に緊張が走る。「ハイ、こちら被害者支援センターみやぎです」一呼吸して気持ちを落ち着かせ、電話の向こうのかけ手の声に耳を傾ける。現在携わっている電話相談とは異なる事もあるのでいささか戸惑う事もあるが、基本的には聞く姿勢は同じなんだと言い聞かせながら。

電話を切った後、大場さんから「いいんだよ、それでいいんだよ。その中少しずつ慣れて聞かれるようになるから…」のやさしい言葉にほっと緊張の糸がほぐれる。

電話相談の仕事にたずさわって、あまりに何も知らない自分の未熟さを痛感する事しきり…。

これからも色々な研修に参加して、もっともっと自分を高め、感性を養いたいと思っている。それにしても言葉はむずかしい。言葉使い一つで相手を傷つけたり、癒したり、スムーズに話が進んだり、巻きこまれたり、考えさせられるこの頃である。私なりに色々な形でお手伝い出来ればと勉強を続けたいと思う。

(K・F)

 

二十一世紀をむかえ、世の中が少しでも明るくなればと思っていたところ、仙台のニュースが全国に流れることになりました。これまでと同じような異常と思われることが続きます。新聞、テレビで話題となり被害に遭われた方、親族の方々、関係者の方々を思うと心が重く暗くなります。相談員としてどの様に対応して行くか、気の抜けない日々が続きます。

支援センターに来て、今までやってきた相談とどの様な違いがあるのか、また同じなのか考えています。思うに一番違うのは、掛け手側の心の状態ではないかと思います。肩に力が入り過ぎて、相手の心を見失うことがないか。何を求められているのか。どこまで出来るのか。勉強していかなければならないことが多くあります。

「犯罪被害者支援センターみやぎ」はもうすぐ満一歳になろうとしています。被害に遭って一人で悩んでいる方々に支援センターを知ってもらい、電話相談での出会いを大切に、一期一会の心で寄り添いたいと、少しでも何かお手伝いできることがあればと…思うこの頃です。

(S・S)

 

 

 

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