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★さまざまな人々との出会い

支援活動で多くのボランティアの方々と出会うことができ、その熱心さや能力の高さに敬服しました。また、遠い存在と思っていた警察官や弁護士とも親しくしていただくようになり、さらに検察官や裁判官とも近づきになり、その人たちにも温かな血が通っているのだという当たり前のことに気づいたのも、私にとっては大きな収穫でした。

また、私はそれまで刑務所の篤志面接委員をしていた関係で加害者と会って話を聴くことがよくありましたが、被害者のことは視野の中にありませんでした。しかし、支援活動でいろいろな被害者にお会いして、いかにひどい目に遭っているかを初めて知り、大きな衝撃を受けました。その後は被害者を視野に入れて加害者に接するようになりました。

そして、被害者の苦悩を理解し、謝罪し、なんらかの贖罪行動をすることが再犯を防ぎ、更生に必要なことを加害者や矯正関係者に力説するようになりました。その結果の一つとして、最近、加害者が矯正施設に入っている家族や出所した加害者からの再犯防止のためにカウンセリングの希望があり、これも被害者支援の一環であると思っています。

 

★支援活動の拡大を

これまでの5年間、大阪被害者相談室は電話相談を中心に活動してきましたが、次の5年間は面接相談や、裁判所・警察・病院などへの同行サービスや、自助グループの支援などに活動を拡大してはと思います。また、電話相談も昼間だけでなく、相談しやすい夜間などもできればよいでしょう。そのためには、支援者の増員や経済的基盤の強化も必要です。みんなで力と知恵を合わせて、新しい5年に挑戦したいものです。

 

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一日研修 '00.8.20

 

 

 

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