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ごあいさつ

―支援活動の飛躍の年に―

 

大阪被害者相談室 堀河昌子

 

2001年新しい世紀の幕開けを迎えました。私達大阪被害者相談室も1996年4月の開設以来5周年目という節目を迎え、新たなる飛躍の年としたいと思っています。

1995年の阪神淡路大震災時に、いち早く精神的危機介入のボランティア活動「大阪YWCAこころのケアネットワーク」を立ち上げ、災害に遭われた人達への心のケアの支援活動をしたことが、現在の大阪被害者相談室を生み出す大きな原動力となりました。開設以来私達の相談室の活動を大きく支え、ご協力くださっている関係者の皆さまには、深い感謝と共に御礼申し上げます。

 

相談室への電話も開設1年目は349回、2年目592回、3年目426回、4年目500回、そして2000年度は3月15日現在810回と年々増加を辿り、相談室の存在が皆様に認知されてきたものと思います。相談内容も性被害、殺人、傷害、窃盗、交通事故、交通死、ストーカー等、犯罪被害、肉親・愛する人との死別、職場・学校におけるいじめ、セクハラ、人間関係に携わるこころの問題等多岐にわたっています。

増え続ける交通事故の数々の相談は精神的なケアだけでは解決のつかない多くの問題を含んでいます。被害解決が保険屋にまかされ加害者が出て来ないお詫びのひとつもない無念さ、愛する大切な人を奪われながら過失致死による量刑の余りの軽さ、訴えても訴えても個人の力ではどうしようもない理不尽さが語られます。司法が変わっていかねばならない現実を感じます。性被害の増加に加え、夫、恋人による家庭内暴力DV、ストーカー問題も深刻さを増しています。ストーカー規制法が施行され、警察の関与が被害者に対し、得られるようになりましたが、条件のハードルが厳しく、被害者にとっては100%の安全が守られるまでには至っていないようです。DV防止法も立法化がすすめられ、暴力が個人の尊厳及び男女平等を侵害する行為であることから、被害者が保護され自立支援を図る骨子を含み制定されそうです。一日も早い実現を望みたいものです。

電話を受けるたびに、電話の向こうから聞こえて来る、心の傷の深さ、安全な場所の確保の難しさ、法的な解決を含め問題解決の深刻さを実感します。相談員ボランティアも、自分の問題として受け留め、誠心誠意「聴く」ことに重点を置きつつ、被害者の心に寄り添って安心して心の内を語られる場となる様研修を重ねていますが、確実な情報提供、問題解決のため次へつなぐ信頼出来るネットワークづくり等、課題が多く、苦慮しているところですが、まず出来るところから実行という現状です。

 

 

 

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