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「自助グループを開きたい人のための研修会」を開催して

大久保恵美子

 

被害者支援都民センターの活動の一つとして、「被害者自助グループの支援」と「自助グループ開催希望者への支援」があります。

自助グループは、同じような体験をもつ方たちが定期的に集い、繰り返し辛い心の内を安心して話し合うことにより、1]色々な悩みや問題に対処する2]破壊された信頼感を取り戻す3]自尊心を回復し悲嘆を乗り越える等を、主な目的に開催しています。

被害者支援先進国であるアメリカでは、二十年前から自助グループ活動が活発ですが、日本でもようやく他の被害者の役に立ちたいという気持ちから、自助グループを開きたいと考える被害者が各地に出てきました。

日本の各地に自助グループが出来れば、被害者支援センターとの効果的な連携も図れ、新たな被害者は、身近な所で早期支援を受けることができ、被害者支援活動の充実も図れます。

しかし、被害者であっても相談にのる基本や運営方法について理解していなければ、効果的に長く続けることは出来ません。

初めての試みであるこの研修会には、全国各地から十五名の被害者や遺族が集まり、実習を入れながら運営の基本や事件後の精神的影響等について学びました。

講師は、日本の被害者支援の先駆者である東京医科歯科大学・山上皓教授、常磐大学・長井進教授、常磐大学・中島聡美助教授、大阪大学・三木善彦教授等でした。

研修は講師、支援者、遺族という枠を超え、参加者全員が一体となり、充実感溢れる交流の場にもなりました。受講後の感想として「このような研修を待ち望んでいた。継続的に実施してほしい。頑張っている仲間の姿に感銘を受けた」等、受講した遺族の喜びと期待が伝わってくるものばかりでした。

また、遺族たちの「苦しみは自分たちだけでたくさん。被害者が出ない社会にしたい」という気持ちがひしひしと伝わってきました。そして、被害者支援都民センターとして、被害者の期待にどう応えていくかを深く考えさせられる研修会でもありました。

協力してくださいました皆様に、深く感謝申し上げます。

 

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シンボルマークの由来

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オレンジのハートは花、グリーンのハートは葉をイメージします。ハートは心を表しています。

結ばれたハートは、心と心のつながりを意味します。

支援には、真心と優しさと、いたわりの心が求められます。

 

 

 

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